そのとき事件は起こった:1/32 オーナーズクラブ ’65 TOYOTA SPORTS 800を組む

2018年の秋に購入して以来寝かせてあった、マイクロエースの「1/32 オーナーズクラブ ’65 TOYOTA SPORTS 800」を組むことにした。最近、nippperという面白いWebサイトがあって、読んでいたら作りたくなったのだ。

情報源: nippper ニッパーを握るすべての人と、モケイの楽しさをシェアするサイト

で、このヨタハチ。

マイクロエースの旧社名であるアリイの「ARII」ロゴが見えるが、このキット自体はかつて存在したエルエスというメーカーのもの。私が小学6年生だった1986年当時には、もう結構なラインナップを誇っていたはずで、つまりは思いっきり「昭和」のプラモデルだ。

前回記事にしたときは、ボディの整形色が赤であったことに安堵したが、一方で不安な点もあった。

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ホイールのみならず、ミラーやワイパーなどが銀色に塗られているのだ。たぶん、接着面をちょっと削っても、私の技量ではうまく接着できないのでは……という危惧があった。

まあ、それはともかく、なんか手を動かしたいということもあって、組み立てに着手する土曜23時。ちなみに、要所だけ色差しをして、ボディは整形色を活かす、つまり塗らないことにした。

さて、画像は割愛するけど、途中までは順調に進んでいたものの、やっぱり危惧していたとおりのことが起こる。

まず私の経験上では、このシリーズを組み立てているときの「あるある」である、ワイパーが折れる。なんでいつも折れるんだろうなぁ。そしてやっぱり、くっつかない。とくに折れてしまったほうはやっかいで、なんだかズレた位置に付いてしまった。

そして、フェンダーミラー。ボディに接する面が、無い。これはもう、いさぎよくボディに穴を開けて解決した。

それでも「タミヤセメント(流し込みタイプ)速乾」のおかげもあって、なんとか作業は進んでいく。

いまプラモのハードコアユーザーのなかで「これがないと始まらないだろ」とされている接着剤が上の2つ。「Mr.セメントスーパーパワー」か、「タミヤセメント(流し込みタイプ)速乾」である。パーツに塗るのではなく、あらかじめ合体させたパーツの合わせ目にチョンと流すだけ。乾燥の待ち時間など必要なく、ほとんどのパーツは15秒ほど指で固定していればガッチリと接着されている。

情報源: プラモの世界を旅する最強のパスポート、接着剤の話。 | nippper

そして工程のほぼラストに近いところ、テールレンズを取り付けているときに事件は起きた。

右側のテールレンズは、バリを取ったらすんなり収まった。左側のテールレンズは……収まらない。少し余計に削り取るかと思って作業しているとき、テールレンズがどこかに飛んだ!

見つからない。

10分くらい探してみたけど、たぶん書類が乱雑に入っているボックスの、どれかの書類の中に入ったと思われる。

テールレンズを紛失するのは、小学生の時タミヤのホンダ・トゥデイ以来、人生2度目だ。

しかたがないので、クリアパーツのランナーの太いところを切り取って、ニッパーとカッターナイフで適当にカタチを整えて、ボディにはめ込んでみた。

結果「これでいいじゃん」という感じ。肉眼で見る限りは、そこまでひどくない。

2時間くらいでカタチになるんじゃない?と思って組み立て始めたが、そうは問屋がおろさなかった。まあ、どうにかこうにか、ヨタハチの完成である。

誰の目にも、赤いヨタハチだ。文句はあるまい。

整形色とテカテカのホイールやバンパーに、ふとビッグワンガムを思い起こす昭和生まれ。

欲を言えば前後のオーバーハングが大きくて長く見えるのと、顔の絞り込みが足りないので幅広に見えるのが残念だが、角度によっては「お、いいじゃない」と思えるので、よし。

そして、上の写真を撮っているときに気がついたのだ。カーテンの向こうの、空が白んでいることに。