日本で開催されるサイクルロードレースとしては最大規模である「2018 ツアー・オブ・ジャパン」が、2018年5月20日(日)~5月27日(日)の日程で開催されました。ここでは、東京で開催された最終ステージ(第8ステージ)から、関係車両として登場したモーターサイクルに着目します。
オンロードで競われるサイクルロードレースは、チーム戦であり、個人戦でもあります。ステージごとの個人の勝利、そして全日程での個人総合成績などを目指すわけですが、エースである選手の勝利のために、チームの複数の選手が戦術を繰り出して戦います。
さて、大井埠頭で開催された第8ステージは、周回コースを14周します。序盤で3名の選手が飛び出しました。これが「逃げ集団」。後方にヤマハ・MT-07がいますね。役割については後ほど。
そして後方の、大きな「メイン集団」(の、前のほう)。メイン集団の中には、逃げている3人を追いたいチーム、追いたくないチーム、追いつきたいけど自分たちは追わなくてもいいシチュエーションのチームなど、いくつか思惑があります。
メイン集団の後ろには、各チームが選手をサポートするための「チームカー」がずらり。ホイールやスペアの自転車を搭載し、自転車がパンクしたときなどはチームカーからスタッフが降りてきて、すばやく対応します。
逃げている3人のうちの1人が、チームカーからドリンクの入ったボトルをもらおうとしています。各集団の後ろには大会のオフィシャル車両がついていて、選手が手を挙げればチームカーを無線で呼びます。呼ばれたチームカーは、結構なスピードで後方から前へと上がっていきます。
さて、上の写真でも後ろに小さくMT-07が写っています。タンデムシートに座る人がチョークボードを持っていまして、逃げ集団とメイン集団のタイム差を選手に教える役目を担っています。
もう2台、ヤマハ・MT-09とMT-09 TRACERが同じ仕事をしていました。
こちらのヤマハ・FJ1300には、テレビカメラマンが乗っていますね。
こちらのFJ1300は、レースの状況を把握して伝える役目をもつ「インフォモト」です。
さて、選手をサポートするためのチームカーがいるとはいえ、ときにはチームカーがすぐに来られないところでトラブルが起きてしまうこともあります。そんなときのために、所属チームに関係なく助ける「ニュートラルサポート」も用意されています。
イエローのスバル・レヴォーグは、自転車ホイールメーカー「MAVIC」の、ニュートラルサポートカー。通称「MAVICカー」です。
青いレヴォーグは、自転車部品メーカー「シマノ」のニュートラルサポートカー。そして、さらに後ろに見えるイエローのヤマハ・TMAX530。
ホイールを積んで、パンクした選手を助けるニュートラルサポートのモトです。
ニュートラルモトは2台走っていました。
あざやかなイエローが印象的なMAVICのレヴォーグ&TMAXは、レース会場でも人気です。
というわけで、サイクルロードレースにはたくさんの関係車両が参加していて、その中でモーターサイクルが担う役割も、小さくありません。
スバルのクルマとヤマハのモーターサイクルばかりなのは、スバルが特別協賛、ヤマハが協賛しているためです。
レースそのものの観戦レポートは、下記関連記事リンクからどうぞ。
関連記事: 2018 ツアー・オブ・ジャパン 東京ステージを観戦してきた – CyclingEX
リンク: Tour of Japan Official Website
リンク: SUBARU Confidence in motion オフィシャルWebサイト
リンク: ヤマハ発動機株式会社 製品サイト
須貝 弦(すがい・げん):1975年東京都新宿区生まれ、川崎市麻生区在住。雑誌原稿の編集・取材・執筆の他、企業Webサイトやオフィシャルブログの制作にも携わる。クロスバイクと小田急ロマンスカーが好き。