2018年3月にヤマハ発動機が発表し、東京モーターサイクルショーにも出展され話題となった、ヤマハの電動トライアルバイク「TY-E」。
モーターサイクルを電動化するにあたっての課題である、コンポーネントの小型化、そして意のままに操ることができることを追求する上で着目されたのが、トライアル競技でした。
同社はTY-Eの特徴として、下記の点を挙げています。
(1)力強い低速トルクと伸びやかな加速を両立し高い走破性を実現する高回転型の小型高出力モーターの搭載
(2)極低速から高速域まで優れたレスポンス、パワーフィーリングを実現するモーター制御技術
(3)優れたトラクション性能を実現する電動モーターと最適化されたフライホイール、瞬発力とコントロール性を確保するメカニカルクラッチなどを搭載したパワーユニット
(4)新設計した小型高出力電池パックなどの高出力・小型軽量のコンポーネント
(5)最適な剛性と電池格納スペースを確保しながら軽量化を突き詰めたCFRPモノコックフレーム
(6)ダイナミックなライダーアクションを妨げない限界まで突き詰めたスリムなスタイリング
CFRP、つまりカーボン強化プラスチックの高い設計自由度を活かしたフレームにより、バッテリーの搭載位置を確保しているのですね。
このTY-E、電動トライアルマシンのみが参加可能な世界選手権「FIMトライアル世界選手権 TRIAL E クラス」で、黒山健一選手が実際に使用する予定となっています。
2018年は、7月14〜15日(フランス・オロン)、7月21〜22日(ベルギー・コンブレン オー ポン)の全2戦が開催予定です。
3月の段階で、プロモーションムービーが公開されていました。
市販で電動モーターサイクルというと原付スクーターくらいしか思い浮かびませんが、時代はもうここまで来ているのですね! これを市販すると価格がどれくらいになるのかは、見当もつきませんが……。
情報源: 電動トライアルバイク「TY-E」にて世界選手権へ初参戦 – 広報発表資料 | ヤマハ発動機株式会社
須貝 弦(すがい・げん):1975年東京都新宿区生まれ、川崎市麻生区在住。雑誌原稿の編集・取材・執筆の他、企業Webサイトやオフィシャルブログの制作にも携わる。クロスバイクと小田急ロマンスカーが好き。