Cannondale SystemSixとROCKBIKES ENIGMAに見るロードバイクの「インテグレーション」

ここ数年、ロードバイクの世界では盛んに「インテグレーション」が謳われている。統合、融合、一体化——それはロードバイクにおいてどんな意味を持つのか?

photo_キャノンデール・ジャパン

例えば、先日Cannondale(キャノンデール)から発表されたエアロロードバイク「SystemSix」は、フレーム、フォーク、ハンドルバー、ステム、ホイール、そしてシートポストと、バイクを構成する重要な6つのエレメントをひとつのパッケージとしてデザインしたという。

photo_キャノンデール・ジャパン

ステム一体型のハンドルバーは、インテグレーションを象徴するものだろう。こう見えても角度調整が可能になっていて、この手のアイテムもだんだん進化しているのがわかる。また、ダウンチューブと一体的にデザインされたフロントフォークも、インテグレーションを謳う近年のエアロロードバイクには欠かせない装備となっている。

photo_キャノンデール・ジャパン

フレーム、フォーク、ホイール、コンポーネント、ハンドル、サドル——自転車は、よくも悪くも「パーツの寄せ集め」でできている。

その多くは規格にのっとった汎用品であり、独自規格を用いず、既存の(それもどちらかといえば“枯れた”)規格を用いて汎用性の高い構成としたロードバイクは「ユーザーフレンドリーである」とされる傾向にある。確かにそうなのかもしれない。

でも、本当にそれでよいものなのか?

汎用パーツの寄せ集めが、自転車の進化を妨げている面も、否定できない。だから私は、新しい規格も、そして昨今のインテグレーションも「いいぞ、もっとやれ!」という目で見ている。

汎用パーツの寄せ集めによって妨げられているものが、もうひとつある。「自転車の美しさ」だ。

ありものの寄せ集めである以上、共通の規格があることによって機能は果たせても、本当の意味での統一されたデザインにはならない。

photo_NYC

日本の「ROCKBIKES(ロックバイクス)」は、そんな汎用品を寄せ集めた世界に抗うメーカーのひとつと言えるだろう。ROCKBIKESの完成車についてくるハンドルやステム、サドルなどは自社のパーツブランド「SIXTH COMPONENTS(シックスコンポーネンツ)」が用いられ、バイク全体の世界観を絶対に壊さない。

photo_NYC

ユーザーが下手にカスタムをするとデザインのバランスが崩れかねないので、そういう面では「難易度が高い」バイクとも言えるが、つまりはそれだけの完成度を有しているということなのだ。

photo_NYC

ROCKBIKESが開発中のクロモリバイク「ENIGMA(エニグマ)」でもっとも注目したいのは、何と言ってもフレームと同色にペイントされ、そしてタイヤの外径にぴったりと寄り添う美しい弧を描くフェンダー(泥除け)だ。

フェンダーこそ、多くのユーザーに望まれていながら、汎用品を後付けするが故にバイクのデザインが崩れてしまうものの代表格。そのフェンダーに、ROCKBIKESはチャレンジしているわけだ。

これも、インテグレーションを追求するひとつのカタチである。

関連記事: すべてのライダーに速さを — Cannondaleの新型エアロロードバイク「SystemSix」 – CyclingEX

リンク: ROCKBIKES