たとえ自分が購入するわけではなくても、製品ラインナップの中にこれがあると、なんだか安心する——ヤマハのTRICKER(トリッカー)も、そんな1台ではないかと思います。
市販モデルの初代が2004年に発売され、2017年にいったん販売終了となったトリッカーですが、先日のセローに続いて復活を果たしています。
排出ガス規制に適合させるために、02フィードバック制御のFIと、蒸発ガソリンの外気への排出を低減するキャニスターを採用している点は、セローと同様です。
燃料タンク容量は7.2L→7.0L、車両重量は125kg→127kgと小さな変化がありますが、基本的な構成は変わらず。軽くてスリムで扱いやすいというトリッカーの良さはそのままです。
しかも価格は467,640円(税込)と、リーズナブルなままなのがうれしいところ。
情報源: 排出ガス規制に適合、気軽に乗りこなせる扱いやすさを維持して復活 フリーライドプレイバイク 「TRICKER」を発売 – 広報発表資料 | ヤマハ発動機株式会社
2004年に初代が登場した際、雑誌のインプレ記事では街乗りバイクとして評価が高かったと記憶しているトリッカーですが、ここまで長寿モデルになるとは個人的にはまったく想像していませんでした。とくにTWがラインナップから消えて以降、ストリートカジュアル志向の軽二輪というポジションをトリッカー(とXT250X)に背負わせるのは、少々荷が重いように思えたのです。
結果としてTWのマーケットは他社製品も含めて誰にもカバーできなかったけれど、トリッカーはトリッカーで、確かな地位を築きましたね。
セローとトリッカーを比較すると、トリッカーのほうがシンプルでストリート向き。街乗りメインで使うとしても、旅バイクとしての可能性を感じたいならセロー、街に特化するならトリッカーでしょう。
自転車に例えると、セローがマウンテンバイク、トリッカーがグラベルロードバイクにオンロードタイヤを履かせたもの——といった感じでしょうか。わかりにくい例えですね。
リンク: こちらも復活!!トリッカー – ヤマハ バイク ブログ|ヤマハ発動機株式会社
須貝 弦(すがい・げん):1975年東京都新宿区生まれ、川崎市麻生区在住。雑誌原稿の編集・取材・執筆の他、企業Webサイトやオフィシャルブログの制作にも携わる。クロスバイクと小田急ロマンスカーが好き。