クリスマス・イヴだけど、立ち食いそばの話を書こう。
先日も書いた、今年の9月末に赤城山で開催されるはずだったヒルクライムに絡んだ、小旅行。前橋のタイ料理屋に行く以外に、もうひとつ考えていたことがあった。
「高崎までは八高線経由で向かい、高崎駅のホームでそばを食べよう」
ひさしぶりに八高線を乗り通すために、八王子駅にやってきた。「いればいいな」と思っていたタキの群れが、横浜線ホームに降り立った私を出迎える。
八王子から八高線の電車で高麗川まで向かうのは、いつ乗ってもまあまあ退屈な感じがするものだが、これに乗らないと高麗川からディーゼルカーに乗ることはできないのだから、しかたがない。
電車は高麗川駅に到着。ここで高崎行きのディーゼルカーに乗り換えるためにそそくさと隣のホームへと向かい、さっきまで乗っていた電車と、高麗川〜高崎間を走るキハ110とのツーショットを撮る。私はてっきり209系3000番台に乗ってきたつもりだったのだけれど、ここで初めて3500番台だったことを知る。
念のため記しておくが、左は「電車」で右は「ディーゼルカー(気動車)」だ。
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まあ、そのうちハイブリッド気動車とかになるかもね。
何年振りかの、キハ110。ボックスシートも空いていたが、ひとりなので遠慮してロング部に陣取り、長い発車待ちを経て、あとは高崎まで揺られるだけ。
高崎駅に着いて、群馬藤岡から意外なほど乗ってきた若者たちが跨線橋へと消えたあと、私を含めた何人かが足を止めたのが、この立ち食いそば屋だ。
このたたずまいがなんだか懐かしさを感じ、まずは周囲をぐるりと観察してしまった。そのおかげで「券売機はなく、おばちゃんに口頭で注文して現金払い」というシステムを事前に理解できたのは収穫だ。
建屋はこじんまりとしていて、カウンターも低い。駅のホームが「KATO」製品だとしたら、この建屋だけ「建物コレクション」だ。
この立ち食いそば屋、私は正式な名称を知らない。八高線ホームを降りた先にあるアレ……いちおう、「たかべん 2~4番ホーム店」とか「第5売店」などと呼ばれているらしい。
何度か前は通っているけれど、なぜか立ち寄る勇気がなかった。今日は初めての実食! 舞茸天そば(450円)を注文した。
いざ食べ始めると、味がどうのこうのという前に、やっぱりカウンターが低い。八高線で長いこと座っていたから、腰がしんどい。ちょっと熱いけど、ちゃんと器を持ち上げて食べる。
そばは、ちょっとボソっとした、そしてやわらかい感じの、立ち食いそば的にはよくある感じ。食べた時はつなぎが少ないのかなとも思ったけれど、どうだろう。やたらツルツルしたそばよりは、こっちのほうがはるかに好みだ。
国鉄っぽさ、地方都市っぽさも含めて存分に味わい、両毛線ホームへと向かった。
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須貝 弦(すがい・げん):1975年東京都新宿区生まれ、川崎市麻生区在住。雑誌原稿の編集・取材・執筆の他、企業Webサイトやオフィシャルブログの制作にも携わる。クロスバイクと小田急ロマンスカーが好き。